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会員さんやその他の方々の貴重な経験談や想いなど、これは!と思う話を掲載!
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 21世紀は人権の時代と言うけれど、日本の障碍者たちには、机の引出しのおくでくしゃくしゃになった手紙のような、そんな人権しか与えられていない。

 怒号と叫びの中、無理やり通過させられた障害者自立支援法。たった二人の岐阜支部中濃サークルは、あきらめず落ち込まず、地元で連帯して声を上げ、なんとかしていかなければ・・・と思っていた。

そんなとき東海ブロックでK先生が自立支援法について講演されることをしった。私はこれしかない!!と思い、K先生に関まで来て講演してくださいとメールした。この講演会が実現したら、何か突破口が開けるかもしれない・・・という想いでお願いをした。先生も快く引く受けてくださり、60ページの膨大な資料を添付してくださった。それをボランティアで友人に手伝ってもらって、百部作ったが、当日はそれが全然足らないほどの多数の参加者だった。

それが昨年の3月のこと、2人で40秒ほどかかって名前を考えた≪障害者自立支援法を考える会・せき≫の始まりだった。

続く・・
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 5月に入って、この勢いを持続させるために、市の福祉政策課の職員を呼んで、自立支援法の施行で何がどう変わるかを説明してもらった。せっかくのチャンスだったが、参加者は異議申し立てするようで申しわけなく思ったのか、意見も質問もあまり出ず、結局、頭を下げて要請した私が一番きつい意見を述べる形になった。

 その夏、「障害者自立支援法実施後生活実態アンケート」をつくり、市内の障害者とその家族に協力してもらった。収入や負担額の金額の細部までたずねたアンケートだったが、丁寧に答えてくれた方が多く、とても実態がわかる結果がでたと思う。

 そのアンケートをまとめた冊子を作り、報告会を11月に開いた。その時集まってくれたのは11名。当事者、家族、作業所職員、議員などなど・・・。すぐに、みんなで要望書を作って市長に会いに行こうという話が決まり、何回か会議を重ねることになった。

続く・・・
 この会は本当におもしろい。ほかの会に例を見ないほど、盛り上がる。みんな隙間なく自分の意見を述べていく。はじめは愚痴みたいなことでも、彼らが口を開くたびに「要求」にかわっていく。そうだよなー。人間の「自立」の第一歩は、「要求」をもつことなんだ。そのことをあらためてみんなに教えてもらった。
 
でも、この盛り上がる会議をたくさん開くわけにはいかない理由がある。障碍の重い人は、会議の場所までくるのが、なかなか大変なのだ。

 Aさんは施設で暮らしている。施設のリフトバスも、このような社会活動のためには使わせてもらえないし、社会福祉協議会のリフトバスも、在宅の人のためのものと言われて、利用できない。それでも彼女はこの会議に来てくれる、往復5000円の福祉タクシ―を使って。彼女は別にお金持ちじゃない。それどころか、月々もらう障害基礎年金のほとんどを、施設の利用料・食費・水光熱費にとられ、1ヶ月に1万円も手元には残らない。施設にいても、衣類や日用品は自分で買わなくてはいけない。そこで、高い食費を削ろうと、昼食(1食678円)は断ってカップラーメンで我慢しようと決めた。

そのことを施設職員に告げると、昼食を断っても半額の人件費(678円÷2=339円)はいただくと言われた。200円のカップラーメンを買うと、339円+200円=539円で、彼女は毎日、539円のカップラーメンを食べなくちゃいけない。そんなカップラーメンを食べている人が、健常者のなかにいるだろうか。

続く・・・
 同じ施設に住んでいるBさん。車椅子マラソンの練習を兼ねて、会議の場所まで1時間以上もかけて、手で車椅子を動かして来てくれる。時間的に間に合わないので、その日の昼食はキャンセルして、途中でパンと牛乳を買って食べることにした。でもキャンセルの時間に5分遅れてしまった。たった5分で、昼食代を全額払わなければならず、パンと牛乳がざっと250円で、Bさんはこの会議のために、678+250=928円で、928円のパン1個と牛乳1本のお昼ごはんになってしまった。

 おまけに書くと、この施設の金庫に通帳をいれてもらうだけで、1ヶ月1000円払わなければならないそうだ。何かにつけて、なんだか罰ゲームのように、ことごとくお金を徴収されているように感じるのは私だけだろうか。

続く・・
こんな大変な日々の中、みんなの意見で埋め尽くした、「障害者の自立支援に関わる市独自の支援策を求める要望書」を作り、市長にもっていった。一人ずつ、穏やかにそして堂々と、自分の『要求』を述べた。

 そして、議員の方が議会に取り上げて、上に述べたような具体的な状況を議会で語ってくれた。いつもやじとひやかしで包まれる恥ずかしい市議会も、このときばかりはシーンと静まり帰って、感動的な一瞬だった。しかし、打ち砕くべき壁は、思いのほか厚い。市長(前市長)の「同情はします」というたった一言が、それを物語った。障碍者たちには、まだ21世紀は与えられていないのだ

続く・・・
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