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量から質への経済へ

 
これまでの経済学は労働の量とか需給の量、限界量などの量を中心に扱ってきました。これからは量とともに出来上がった製品の人間にとっての心地よさとか、好ましく感じるとかの五感にとっての質が大きな役割を果たすことになります。

特になりわい経営の主戦場である衣食住の分野では質を重視したほんもの・こだわりの製品が求められます。とりわけ職人の損得勘定を乗り越えた、ものづくりの腕と情熱が見直される条件が開かれることになるでしょう。質の経済で大事なことは地域という見方です。

これまで経済学では国内取引、国際取引の区別はあっても、国内取引であれば誰と取引しても同じと考えられてきました。それが現在では誰と取引するかの質の問題が、貨幣の地域循環、地域経済への自立という点で大きな意味をもちだしているのです

次回・・・ほんものと消費者教育
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ほんものと消費者教育
 
フランスのパンはおいしい、ドイツのソーセージはおいし、それはなぜか。

フランスではパンを家庭でみんなが焼いていて、ドイツではソーセージを自分で薫製する機械があるそうです。こうして消費者がほんものの味を知っているから、店で売るものの良さが分かります。店ではほんものをつくって値段が高くなっても消費者は納得して買います。

日本ではこの経験がないから、ほんものを売る業者は手ごたえ感じながらも商売としては苦労します。そこで必要なのは消費者教育です。本当は学校教育で消費者リテラシー(消費の文法)を教えたらいいのですが、マスコミが価格破壊で騒ぐような国では難しいでしょう。

そこで業者が教えていくことが大事になりますが、職人は人に教えることが苦手です。口での情報発信がダメなら今ではネットをはじめ、いろいろなものがあります。家族みんなで協力をして、やんわりとした消費者教育と気づかせないような情報発信が非常に大切です。

次回・・・なりわいの中小企業論
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